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2014-2015 東京芸術劇場 海外オーケストラシリーズⅡ

モントリオール交響楽団

モントリオール交響楽団


モントリオール交響楽団の印象で真っ先に思い浮かぶのは、1977年から2002年まで音楽監督として在任した シャルル・デュトワが楽団の音楽性を究極的な高い域に引き上げ、フランス音楽において数々の名演、名録音を繰り広げたことを思い浮かべる。その演奏はストラヴィンスキーを筆頭にラヴェルやドビュッシー、ビゼーといった フランス音楽でここのオケにしか不可能な個性的で洒脱な演奏を繰り広げた(アンセルメ&スイスロマンドのように!)。

デュトワ退任後、2004年から2年間、音楽アドヴァイザー兼次期音楽監督として楽団と共に歩んだケント・ナガノが 2006年9月に第8代音楽監督に就任。
OSM(Orchestre Symphonique de Montreal "モントリオール交響楽団")とナガノの関係が良好であることは、その演奏はもとよりナガノの在任契約が 更に2020年まで延長されたことによっても証明されている。

今回の芸劇公演では、前プロにドビュッシーの「海」を置き、飛ぶ鳥を落とす勢いのヴァイオリニスト・五嶋龍を ソリストに迎えてのストラヴィンスキーの協奏曲、メインには、このコンビの18番(オハコ)ともいえる ムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」を取り上げる。
全て、ナガノ&OSMの得意中の得意ともいえる楽曲であり、この稀代の名コンビが日本公演を行うにあたり自信を持って 披露する至高のプログラムといえる。10年を超え成熟の段階を迎えたこのコンビの黄金期の演奏を聴き逃す手はあるまい。

 

モントリオール交響楽団

© lucetg(左上、左下)© E.Miyoshi(右下)

日程
2014年10月10日 (金)19:00 開演(ロビー開場18:00)
会場
コンサートホール
曲目

ドビュッシー/交響詩『海』
ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲 二調
ムソルグスキー(ラヴェル編曲)/組曲『展覧会の絵』

出演

指揮:ケント・ナガノ
ヴァイオリン:五嶋 龍
管弦楽:モントリオール交響楽団

プロフィール
ケント・ナガノ(指揮) Kent Nagano, Conductor
ケント・ナガノ

© Felix Broede

カリフォルニア生まれ。世界有数の指揮者として、明快・優雅、知的な音楽家として名高い。リヨン歌劇場、ロサンジェルス歌劇場、バイエルン州立歌劇場、そしてハレ管弦楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団の音楽監督などを歴任し、2006年からモントリオール交響楽団の音楽監督を務めている。2015年からハンブルク州立歌劇場の音楽監督、エーテボリ交響楽団のアーティスティック・ディレクターおよび首席客演指揮者に就任する。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、シカゴ交響楽団、ロンドン交響楽団、ドレスデン・シュターツカペレなどの超一流オーケストラにも客演を続け、オペラでもシンフォニーでもクリエイティヴなプログラミングで、他では聴かれないような新鮮な魅力を聴き手に届けている。
レコーディングもソニーをはじめ数多くのレーベルに行っている。受賞も多く、リヨン歌劇場とのブゾーニ《ファウスト博士》、ロシア・ナショナル響との「ピーターと狼」、ベルリン・ドイツ響との《遥かな愛》はグラミー賞を獲得している。

五嶋 龍(ヴァイオリン) Ryu Goto, Violin
五嶋 龍

© Universal Music

ニューヨーク生まれ。7歳でデビュー後ソリストとして活躍し、ロリン・マゼール、ウラディーミル・アシュケナージ、チョン・ミョンフン、ファビオ・ルイジらの指揮のもと、ロンドン・フィル、ミュンヘン・フィル、ウィーン響、バンベルク
響、フィルハーモニア管、シドニー響をはじめとする世界各地のオーケストラと共演。室内楽でもミッシャ・マイスキーなどと共演している。
1996年から10年にわたったフジテレビのドキュメント番組「五嶋 龍オデッセイ」で成長過程が紹介されたほか、数々のテレビ番組や海外のメディアでも特集が組まれるなど注目される存在。2010年にはニューヨークに「五嶋 龍 “Excellence In Music” (音楽優秀賞)」を設立したほか、各国での社会貢献・教育活動に積極的に取り組む。
録音はドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、ユニバーサルクラシックスより
リリース。使用楽器は、日本音楽財団より貸与された1722 年製のストラディヴァリウス「ジュピター」。
現在、JR東日本のCM に出演。ハーバード大学(物理学専攻)を卒業。
ニューヨーク在住。

オフィシャルウェブサイト

http://www.ryugoto.com/

モントリオール交響楽団 Orchestre symphonique de Montréal
モントリオール交響楽団

© Nicolas Ruel

1934年に創設され、2014年は創立80周年を迎える。マルケヴィッチ、メータ、デ・ブルゴスらが音楽監督を務めたが、このオーケストラが大きな飛躍を遂げ、国際的に押しも押されぬ地位を獲得したのはデュトワの時代で、その色彩的で豪華な音色は「フランス以上にフランス的なオーケストラ」と賞賛された。デッカ・レーベルから出ている数多いCDや日本公演で、我が国でもファンが多い。ヨーロッパやアジア、南米にツアーを行い、ラヴィニアやタングルウッド音楽祭にも招かれている。1982年からは定期的にカーネギーホールに登場している。
2006年にケント・ナガノが8代目の音楽監督に就任、彼の厳しい指導でオーケストラの能力や音色にはさらに磨きがかかることとなった。レパートリーも拡大し、ワーグナー《タンホイザー》《トリスタンとイゾルデ》《ラインの黄金》やオネゲル《火刑台上のジャンヌ・ダルク》、メシアン《アッシジの聖フランチェスコ》などの演奏会形式上演や、2010/11年にデュティユー、11/12年にはブーレーズのコンサート・シリーズなどを行っている。またレコーディングでは、ベートーヴェンやマーラーのシリーズがソニーから発売され、高く評価されている。

主催:東京芸術劇場 (公益財団法人東京都歴史文化財団)