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東京芸術劇場 海外オーケストラシリーズ

フィルハーモニア管弦楽団

フィルハーモニア管弦楽団

 2020年、東京芸術劇場においてエサ=ペッカ・サロネンと英国フィルハーモニア管の集大成ともいえるシリーズが開催される。

 振り返ってみればサロネンが同管の首席指揮者に就任したのは2008年。アーティスティック・アドバイザーも兼ね、本拠地ロンドンではシーズンを通した(時にはシーズンをまたいだ)大型シリーズを企画してきた。これまで世紀末のウィーンを扱った「City of Dreams」(2009年)、バルトーク特集「Infernal Dance」(2011年)、20世紀前半のパリを扱った「City of Light」(2014〜15年)、ストラヴィンスキー特集「Myths and Rituals」(2016年)、そして2020/21年で退任する彼の最後のプロジェクトとなる「Weimar Berlin」がこの6月から始まる。

 このように、サロネンとフィルハーモニア管の魅力は単発のプログラムよりも、テーマ性のある大型企画においてこそ発揮されるのだと思う。サロネン自身も「今回のミニ・レジデンシーでは、東京芸術劇場という最高のホールで私たちの実際の活動をより幅広い形で示すことができてとても嬉しい」と語る。

 指揮者サロネンのファンは、彼の演奏のどんな側面に惹かれるのかそれぞれにこだわりのポイントがあると思うのだが、筆者にとっては彼とオーケストラの生み出すしなやかな表現力と色彩感、そしてぎりぎりまでリスクを取るスリリングな音楽作りだ。その一方で、サロネンは作曲家としての視点で19世紀や20世紀のモダニストの大曲の構造を怜悧かつ立体的に浮かび上がらせてくれる手腕も抜きん出ている。

 以前同管を取材した時に、首席ヴィオラ奏者の小倉幸子さんがサロネンの指揮の特色について「崖っぷちに追い込むような勢いがあるのに、けっして誰も落とさず、一人残らず一緒に連れていってくれるという安心感がある」と語っていたのがとても印象的で、こうしたスリルと知性を同時に味わわせてくれる指揮者は稀有な存在だと感じている。

 今回のプログラムでも、ストラヴィンスキーの《火の鳥》やシベリウスの《大洋の女神》では色彩感としなやかさ、《春の祭典》ではクールな切れ味とスリル、そしてマーラーの《交響曲第9番》では極限まで追い込んだ深遠な表現が期待できるだろう。どのプログラムを選んでも間違いはない。

 1983年の伝説的なデビュー以来、30年以上ともに歩んできたサロネンとフィルハーモニア管の東京でのビッグ・プロジェクトに今から胸が高鳴る。

後藤菜穂子(音楽ライター)

日程
2020年01月23日 (木) ・28日 (火) ・29日 (水)19:00 開演(ロビー開場18:00)
会場
コンサートホール
1月23日(木)19:00開演

ラヴェル/組曲『クープランの墓』

シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47 
※庄司紗矢香(ヴァイオリン)

ストラヴィンスキー/バレエ音楽『春の祭典』

※1月23日(木)に出演を予定しておりましたチェロのトゥルルス・モルクは、体調不良のため来日できなくなりました。
代わりまして、ヴァイオリンの庄司紗矢香が出演いたします。

1月28日(火)19:00開演

シベリウス/交響詩『大洋の女神』op.73

ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77 
※庄司紗矢香(ヴァイオリン)

ストラヴィンスキー/バレエ音楽『火の鳥』(1910年原典版)

1月29日(水)19:00開演

サロネン/『ジェミニ』:「ポルックス」、「カストール」 *日本初演

マーラー/交響曲第9番 ニ長調

※演奏を予定しておりました「ポルックス」は、新作「カストール」(2019年10月ロサンゼルス・フィル初演)を追加した連作『ジェミニ』として演奏します。

出演

指揮:エサ=ペッカ・サロネン(首席指揮者&アーティスティック・アドヴァイザー)

ヴァイオリン:庄司紗矢香(1月23日・28日)

管弦楽:フィルハーモニア管弦楽団

プロフィール
エサ=ペッカ・サロネン(首席指揮者&アーティスティック・アドヴァイザー)

© Katja Tähjä

エサ=ペッカ・サロネンは、絶え間ない革新によって、クラシック音楽界において最も重要な芸術家のひとりとみなされている。
指揮者・作曲家であるサロネンは、1958年ヘルシンキに生まれた。当地のシベリウス音楽院に学び、79年フィンランド放送交響楽団を指揮してデビュー。85年から95年まではスウェーデン放送交響楽団の首席指揮者、95年と96年はヘルシンキ音楽祭の音楽監督を務めた。また、毎年開催されるバルト海フェスティヴァルの共同創設者であり芸術監督も務めている。現在、ロンドンのフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者およびアーティスティック・アドヴァイザーを務めるとともに、1992年から2009年まで音楽監督を担ったロサンゼルス・フィルハーモニックの桂冠指揮者でもある。
サロネンとフィルハーモニア管は、サウスバンク・センターのデジタル技術を使って、いかに音楽を提供できるかという先駆的な試みを引き続き行っている。その主なものとしては、イギリスの交響楽団としては初めてとなる大がかりなヴァーチャル・リアリティのプロダクションのほか、賞を受賞した「RE-RITE」や「ユニバース・オブ・サウンド:惑星」といったインスタレーションがある。映像と音を駆使したこれらのインスタレーションでは、世界中の人々が、オーケストラの中に入って指揮や演奏を体験することができる。サロネンはほかにもiPadのための待望のアプリケーション「オーケストラ」を開発した。
作曲家としても活躍しており、ヴァイオリン協奏曲やチェロ協奏曲、そのほか多くのオーケストラ曲を作曲。複雑さと高度な演奏技術が遊び心あるリズムと新鮮なメロディーに結びついている。CDもリリースされている。 2021年シーズンよりサンフランシスコ交響楽団の首席指揮者に就任する。

庄司紗矢香(ヴァイオリン)

© Kishin Shinoyama

庄司紗矢香はその才能、卓越した技術で国際的に評価されている。プロコフィエフ、チャイコフスキー、ブラームス、シベリウス、ショスタコーヴィチらの名作に加え、新作も演奏し、幅広いレパートリーを持っている。
庄司は、テミルカーノフ、メータ、ノセダ、ヤンソンス、アシュケナージ、P.ヤルヴィなどのトップレベルの指揮者、また、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、NHK交響楽団、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団といった世界を代表するオーケストラと共演を重ねている。
2019/20年シーズンの主な公演には、アシュケナージ指揮フィルハーモニア管弦楽団とのイギリスツアー、サロネン指揮同管弦楽団との日本ツアー、クリーブランド管弦楽団デビューの他、テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団のシーズンズ・クロージングコンサートが挙げられる。
リサイタルでは、カシオーリと共演、ベートーヴェンのピアノとヴァイオリンのソナタ全集を録音した。今シーズンはアンゲリッシュとモディリアーニ弦楽四重奏団とコンサートを行い、オラフソンとのウィグモア・ホールを含むツアーも予定されている。
ジャンルを超えた芸術プロジェクトにも参加しており、今シーズンは日本で勅使川原三郎と音楽とダンスのコラボレーションを行う。
庄司は、シエナとケルンで学び、1999年にパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで最年少および日本人として初めて優勝した。2010年芸術選奨新人賞、2016年毎日芸術賞を受賞。使用楽器は、上野製薬株式会社より貸与された1729年製ストラディヴァリウス“レカミエ(Recamier)”である。
[Twitter] SayakaShoji
[Facebook] SayakaShojiOfficial

フィルハーモニア管弦楽団(管弦楽)

世界的な名門オーケストラのひとつであり、膨大なレコーディング数を誇るフィルハーモニア管弦楽団は、ロンドンのサウスバンク・センター内にあるロイヤル・フェスティバル・ホールに拠点を置き、演奏の質の高さに加え、聴衆の開拓、レジデンス・オーケストラとしての活動、音楽教育などにおいて、リーダー的役割を担っている。2008年エサ=ペッカ・サロネンを首席指揮者&アーティスティック・アドヴァイザーに迎えてから、イギリスの音楽界における中心的存在としてゆるぎない地位を築いた。またサロネンと同楽団は、デジタルテクノロジーを駆使してバーチャルリアリティのクラシック音楽の道を切り開いてきた。
近年の活動は、イギリス国内での演奏のほか、2019年1月カルタヘナ国際音楽祭(コロンビア)出演、3月リンカーンセンター(ニューヨーク)とバークレー(カリフォルニア)を含む米国ツアーを実施。7月エクサン・プロバンス音楽祭では、コンサートのほか、ワイル<マホガニー市の興亡>を上演、絶賛された。
1945年の創立以来、フルトヴェングラー、R.シュトラウス、トスカニーニ、カラヤン、ジュリーニといった巨匠の薫陶を受け、その後は、マゼール、ムーティ、シノーポリ、マッケラスなど、そうそうたる顔ぶれが同楽団の主要ポストに就いてきた。
2021年シーズンからはサロネンの後任として、サントゥ=マティアス・ロウヴァリが首席指揮者に就任する。

インフォメーション

日程

2020年01月23日 (木) ・28日 (火) ・29日 (水)19:00 開演(ロビー開場18:00)

会場

コンサートホール

1月23日(木)19:00開演

ラヴェル/組曲『クープランの墓』

シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47 
※庄司紗矢香(ヴァイオリン)

ストラヴィンスキー/バレエ音楽『春の祭典』

※1月23日(木)に出演を予定しておりましたチェロのトゥルルス・モルクは、体調不良のため来日できなくなりました。
代わりまして、ヴァイオリンの庄司紗矢香が出演いたします。

1月28日(火)19:00開演

シベリウス/交響詩『大洋の女神』op.73

ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77 
※庄司紗矢香(ヴァイオリン)

ストラヴィンスキー/バレエ音楽『火の鳥』(1910年原典版)

1月29日(水)19:00開演

サロネン/『ジェミニ』:「ポルックス」、「カストール」 *日本初演

マーラー/交響曲第9番 ニ長調

※演奏を予定しておりました「ポルックス」は、新作「カストール」(2019年10月ロサンゼルス・フィル初演)を追加した連作『ジェミニ』として演奏します。

出演

指揮:エサ=ペッカ・サロネン(首席指揮者&アーティスティック・アドヴァイザー)

ヴァイオリン:庄司紗矢香(1月23日・28日)

管弦楽:フィルハーモニア管弦楽団

プロフィール

エサ=ペッカ・サロネン(首席指揮者&アーティスティック・アドヴァイザー)

© Katja Tähjä

エサ=ペッカ・サロネンは、絶え間ない革新によって、クラシック音楽界において最も重要な芸術家のひとりとみなされている。
指揮者・作曲家であるサロネンは、1958年ヘルシンキに生まれた。当地のシベリウス音楽院に学び、79年フィンランド放送交響楽団を指揮してデビュー。85年から95年まではスウェーデン放送交響楽団の首席指揮者、95年と96年はヘルシンキ音楽祭の音楽監督を務めた。また、毎年開催されるバルト海フェスティヴァルの共同創設者であり芸術監督も務めている。現在、ロンドンのフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者およびアーティスティック・アドヴァイザーを務めるとともに、1992年から2009年まで音楽監督を担ったロサンゼルス・フィルハーモニックの桂冠指揮者でもある。
サロネンとフィルハーモニア管は、サウスバンク・センターのデジタル技術を使って、いかに音楽を提供できるかという先駆的な試みを引き続き行っている。その主なものとしては、イギリスの交響楽団としては初めてとなる大がかりなヴァーチャル・リアリティのプロダクションのほか、賞を受賞した「RE-RITE」や「ユニバース・オブ・サウンド:惑星」といったインスタレーションがある。映像と音を駆使したこれらのインスタレーションでは、世界中の人々が、オーケストラの中に入って指揮や演奏を体験することができる。サロネンはほかにもiPadのための待望のアプリケーション「オーケストラ」を開発した。
作曲家としても活躍しており、ヴァイオリン協奏曲やチェロ協奏曲、そのほか多くのオーケストラ曲を作曲。複雑さと高度な演奏技術が遊び心あるリズムと新鮮なメロディーに結びついている。CDもリリースされている。 2021年シーズンよりサンフランシスコ交響楽団の首席指揮者に就任する。

庄司紗矢香(ヴァイオリン)

© Kishin Shinoyama

庄司紗矢香はその才能、卓越した技術で国際的に評価されている。プロコフィエフ、チャイコフスキー、ブラームス、シベリウス、ショスタコーヴィチらの名作に加え、新作も演奏し、幅広いレパートリーを持っている。
庄司は、テミルカーノフ、メータ、ノセダ、ヤンソンス、アシュケナージ、P.ヤルヴィなどのトップレベルの指揮者、また、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、NHK交響楽団、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団といった世界を代表するオーケストラと共演を重ねている。
2019/20年シーズンの主な公演には、アシュケナージ指揮フィルハーモニア管弦楽団とのイギリスツアー、サロネン指揮同管弦楽団との日本ツアー、クリーブランド管弦楽団デビューの他、テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団のシーズンズ・クロージングコンサートが挙げられる。
リサイタルでは、カシオーリと共演、ベートーヴェンのピアノとヴァイオリンのソナタ全集を録音した。今シーズンはアンゲリッシュとモディリアーニ弦楽四重奏団とコンサートを行い、オラフソンとのウィグモア・ホールを含むツアーも予定されている。
ジャンルを超えた芸術プロジェクトにも参加しており、今シーズンは日本で勅使川原三郎と音楽とダンスのコラボレーションを行う。
庄司は、シエナとケルンで学び、1999年にパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで最年少および日本人として初めて優勝した。2010年芸術選奨新人賞、2016年毎日芸術賞を受賞。使用楽器は、上野製薬株式会社より貸与された1729年製ストラディヴァリウス“レカミエ(Recamier)”である。
[Twitter] SayakaShoji
[Facebook] SayakaShojiOfficial

フィルハーモニア管弦楽団(管弦楽)

世界的な名門オーケストラのひとつであり、膨大なレコーディング数を誇るフィルハーモニア管弦楽団は、ロンドンのサウスバンク・センター内にあるロイヤル・フェスティバル・ホールに拠点を置き、演奏の質の高さに加え、聴衆の開拓、レジデンス・オーケストラとしての活動、音楽教育などにおいて、リーダー的役割を担っている。2008年エサ=ペッカ・サロネンを首席指揮者&アーティスティック・アドヴァイザーに迎えてから、イギリスの音楽界における中心的存在としてゆるぎない地位を築いた。またサロネンと同楽団は、デジタルテクノロジーを駆使してバーチャルリアリティのクラシック音楽の道を切り開いてきた。
近年の活動は、イギリス国内での演奏のほか、2019年1月カルタヘナ国際音楽祭(コロンビア)出演、3月リンカーンセンター(ニューヨーク)とバークレー(カリフォルニア)を含む米国ツアーを実施。7月エクサン・プロバンス音楽祭では、コンサートのほか、ワイル<マホガニー市の興亡>を上演、絶賛された。
1945年の創立以来、フルトヴェングラー、R.シュトラウス、トスカニーニ、カラヤン、ジュリーニといった巨匠の薫陶を受け、その後は、マゼール、ムーティ、シノーポリ、マッケラスなど、そうそうたる顔ぶれが同楽団の主要ポストに就いてきた。
2021年シーズンからはサロネンの後任として、サントゥ=マティアス・ロウヴァリが首席指揮者に就任する。

主催:東京芸術劇場 (公益財団法人東京都歴史文化財団)

協力:ジャパン・アーツ

助成:文化庁ロゴマーク

文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|
独立行政法人日本芸術文化振興会

チラシ

チラシ

〔pdf:2.89MB〕

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