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東京芸術祭2016 芸劇オータムセレクション『かもめ』公演関連レクチャー

チェーホフの「喜劇問題」 ― 『かもめ』『桜の園』を中心に ―

チェーホフの4大戯曲として有名な『かもめ』『ワーニャおじさん』『三人姉妹』『桜の園』はいずれも悲劇的な要素の強い作品ですが、作家自身はこれらを「喜劇」と考えていたようです。『かもめ』と『桜の園』は、副題でわざわざ「コメディ」と指定されています。しかし、なぜこれらの戯曲が「喜劇」なのかは謎めいていて、演出家や俳優を悩ませてきました。このレクチャーでは、チェーホフにとって「喜劇」とは何だったのか、そして笑いと悲しみはどのような関係にあったのか、『かもめ』と『桜の園』を中心に、小説作品も視野に入れながら考えてみたいと思います。

日程
2016年10月31日 (月)19:00-21:00
会場
シンフォニースペース
講師
沼野充義(東京大学大学院人文社会系研究科・文学部 教授)
沼野充義

1954年、東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授(現代文芸論・スラヴ語スラヴ文学研究室)。東京大学教養学部教養学科卒業、同大学大学院人文科学研究科、ハーヴァード大学大学院に学ぶ。専門はロシア・東欧文学。『徹夜の塊――亡命文学論』(作品社)でサントリー学芸賞受賞、『徹夜の塊――ユートピア文学論』(作品社)で読売文学賞受賞。他の著書に、『世界文学から/世界文学へ――文芸時評の塊 1993-2011』『永遠の一駅手前――現代ロシア文学案内』(ともに作品社)、『屋根の上のバイリンガル』(白水社)、『チェーホフ 七分の絶望と三分の希望』(講談社)など。訳書に、アントン・チェーホフ『かもめ』(集英社文庫)など多数。

主催:東京芸術劇場 (公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成:文化庁ロゴマーク平成28年度 文化庁 劇場・音楽堂等活性化事業

東京芸術祭2016

【東京芸術祭】
東京の多彩で奥深い芸術文化を通して世界とつながることを目指した、都市型総合芸術祭を創設します。2016年秋は舞台芸術フェスティバルを豊島区池袋エリアで展開。新たな価値観をはぐくむ交流と参加の場が生まれます。