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RooTS Vol.05

秘密の花園

秘密の花園

現代演劇のルーツといえるアングラ世代の戯曲を
気鋭の演出家が大胆に読み直す、
東京芸術劇場“RooTS シリーズ”の第五弾! ついに唐十郎作品に挑戦!

1982年11月に下北沢・本多劇場の杮落し公演として、唐十郎が書き下ろし、高い評価を得た傑作に、兼ねてより唐をリスペクトし、特に『秘密の花園』の演出を切望していた、劇団「ピチチ5(クインテット)」を主宰する福原充則が挑みます。寺島しのぶ、柄本佑、田口トモロヲのほか個性実力派キャストが結集! 

【唐十郎が過ごしたノスタルジックな光景が醸し出す『秘密の花園』】
『秘密の花園』は唐がくり返し書き続ける下町ものの一遍。幼い頃から慣れ親しんだノスタルジックな光景が舞台です。唐は初演プログラムでこの界隈を【小さな文化圏】と語り、「私の小さな文化圏には、いつも手が届かない他人の人影とか、嫌アな思い出ばかりが眠っていて、それに手をこまねいているしかなかった。小さな文化圏とは、寝ぐらの上野から出発して、鶯谷、日暮里、そして中学のあった池の端七軒丁であり、そのどれにも、行きつく先に坂があった。」と回想しています。

【演出・出演:福原充則より】
『秘密の花園』は、芝居のすべてとこの世のすべての要素が詰まっている作品だと思っています。
詰まっているからこそ分かりづらかったり、何か一つ糸口があると全てに合点が行き、わかりやすい…という不思議な作品だとも思っています。
僕と役者さんたちのフィルターを通して、もう一回この世の全てをぶつけてやろうという気持ちでいます。「この世の中が、何で構成されているのかを知りたい」、と思っている方は劇場にお越し頂けると、世界の秘密が解けるのではないでしょうか。(コメント動画より抜粋)


【あらすじ】
日暮里にある古びたアパートの一室。この部屋に暮らすのはキャバレーのホステス「いちよ」(寺島しのぶ)とポン引きの夫、「大貫」(田口トモロヲ)。この夫婦のところに店の客であった「アキヨシ」(柄本佑)はもう二年もの間、毎月自分の給料を何の見返りも求めずに届けている。そんなアキヨシにいちよはよく「生まれる前の港で、契りを交わした」という話を語り聞かせていた。 一方で、いちよは町の権力者、「殿」(池田鉄洋)の甥っ子である「かじか」(玉置玲央)から熱烈なプロポーズを受けていた。そのかじかにもらった婚約指輪がどうしても薬指から抜くことができない。いちよをめぐり、3人の男達の想いが交錯する中、アキヨシはいちよにある事実をうちあける。そこへアキヨシの姉「もろは」(寺島しのぶ)も現れ、日暮里の森がおおきくざわつきだす。

日程
2018年1月13日(土)~2018年2月4日(日)
会場
シアターイースト
唐十郎
唐十郎

1940年生まれ。劇作家・作家・演出家・俳優。明治大学文学部演劇学科卒。
「特権的肉体論」を掲げ、1963年劇団「シチュエーションの会」立ち上げ。
翌年「状況劇場」に改名。1967年より、花園神社境内に自分たちで赤テントを建てて公演を行う。60年代終盤から70年代、「天井桟敷」の寺山修司、「早稲田小劇場」の鈴木忠志、「黒テント」の佐藤信とともに、アングラ演劇 の旗手と称された。1970年 「少女仮面」で岸田戯曲賞、ほか受賞歴多数。
1988年には状況劇場を解散し、劇団「唐組」を旗揚げ。

<主な劇作>
「ジョン・シルバー」(1965)、「腰巻お仙」(1966 初のテント公演)、「少女仮面」(1970 鈴木忠志に書下し)、「二都物語」(1972)、「ベンガルの虎」(1973)、「盲導犬」(1973)「唐版・滝の白糸」(1975)「下谷万年町物語」(1980)「黒いチューリップ」(1983)(以上四作、蜷川幸雄に書下ろし)、「秘密の花園」(1980 本多劇場杮落し)、「ビニールの城」(1985石橋蓮司の劇団第七病棟に書下し)ほか

演出・出演
福原充則
福原充則

1975年生まれ、神奈川県出身。2002年、ピチチ5(クインテット)旗揚げ、主宰と脚本・演出を務める。また「ニッポンの河川」、「ベッド&メイキングス」など複数のユニットを立ち上げ、幅広い活動を展開する。「その夜明け、嘘。」で第54回、「つんざき行路、されるがまま」で第59回岸田國士戯曲賞最終候補作品にノミネート。代表作に「サボテンとバントライン」、「墓場、女子高生」、「南の島に雪が降る」、「あたらしいエクスプロージョン」、パルコプロデュース「いやおうなしに」(脚本)、舞台版「俺節」等。またNHK「おふこうさん」、NBN「まかない荘」、NTV「視覚探偵 日暮旅人」等、テレビドラマ脚本も手がける。2015年公開「愛を語れば変態ですか」で映画初監督を務める。

出演
寺島しのぶ
寺島しのぶ

© junji ishiguro

1972年生まれ、京都市出身。『キャタピラー』(10/若松孝二監督)で、日本人として35年ぶりにベルリン国際映画祭・最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞。近年の主な舞台出演作品には、『血は立ったまま眠っている』(演出::蜷川幸雄)、『ゴーゴーボーイズ・ゴーゴーヘブン』(演出:松尾スズキ)、『アルカディア』(演出:栗山民也)、『禁断の裸体』(演出:三浦大輔)、『座頭市』(17/三池崇史演出)、『OTHER DESERT CITIES』(17/熊林弘高演出)がある。

柄本佑
柄本佑

1986年生まれ、東京都出身。2003年公開の映画「美しい夏キリシマ」で主演デビュー。第77回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞など受賞。最近の主な作品に、舞台「エドワード二世」「ゴドーを待ちながら」「百鬼オペラ 羅生門」。テレビ「若者たち2014」 「天皇の料理番」「あさが来た」「スクラップ・アンド・ビルド」「コック警部の晩餐会」。主演ドラマ「ROAD TO EDEN」は10月26日から配信開始。映画「ピース オブ ケイク」「GONINサーガ」「追憶」など。「素敵なダイナマイトスキャンダル」等、2018年公開予定。

玉置玲央
玉置玲央

1985年生まれ、東京都出身。劇団「柿喰う客」の中心メンバー。高い身体能力を武器に、ジャンルを問わず数多くの舞台に出演。また、最近では映像にも活躍の場を広げ、印象的な姿を見せている。主な出演作に、舞台『スロウハイツの神様』(17/成井豊演出)、「K.テンペスト」(17/串田和美演出)、「イヌの日」(16/松居大悟演出)、「夢の劇~ドリーム・プレイ」(16/白井晃演出)、テレビ「コピーフェイス~消された私」「真田丸」(以上16/NHK)など。

川面千晶
川面千晶

1988年生まれ、兵庫県出身。大阪芸大芸術学科に進学後、11年に上京しハイバイの劇団員となる。主な出演作に〈舞台〉「クヒオ大佐の妻」(吉田大八作・演出)「ワレワレのモロモロ」ハイバイ「転校生」(本広克行演出)〈TV〉「スーパーサラリーマン左江内氏」「家売るオンナ」「勇者ヨシヒコと導かれし七人」 〈映画〉「22年目の告白-わたしが犯人です-」「残穢-住んではいけない部屋-」「白ゆき姫殺人事件」 など。

三土幸敏
三土幸敏

1970年生まれ、香川県出身。92年明治大学在学中、劇団「くねくねし」を旗揚げ。解散後は、福原充則率いる「ピチチ5」全作品に参加。碓井清喜とのふたりユニット「息吹」を立ち上げるなど舞台を中心に活動。ほかベッド&メイキングスTimeless公演「サナギネ」(14) 、熱帯カジュアル「Mt.Fuji 92.2㎞」(15)、舞台「俺節」(17)など。

和田瑠子
和田瑠子

1979年生まれ。千葉県出身。大学卒業後、ENBUゼミ「ブルースカイクラス」受講を経て、劇団「演劇弁当猫ニャー」02~04年までの全ての作品に参加。15年に、演劇ユニット「湯ぶね」を立ち上げる。主な出演作に、舞台『美男(イケメン)ですね』(11/福原充則演出)、財団、江本純子『人生 2 ねんせい』(14/江本純子演出)、贅沢貧乏『フィクション・シティー』(17/山田由梨演出)、TV『純情きらり』(06/NHK)、映画『恋人たち』(15/橋口亮輔監督)など。

池田鉄洋
池田鉄洋

1970年生まれ、東京都出身。俳優の他、演出家、脚本家としても活躍。現在コントユニット「表現・さわやか」を主宰しており、全作品を作・演出。近年の主な舞台に「TARO URASHIMA」(16/脚本)、「海の風景」「こち亀」(16)など。本年出演作品は「東京2/3」(5月)。また18年春には「パタリロ!2」の脚本を手掛ける。テレビは、NTV「視覚探偵 日暮旅人」(16)、TBS「小さな巨人」(17)、Netflix×テレビ東京「100万円の女たち」(17)など多数。映画は「謝罪の王様」(13)、「トリック劇場版 ラストステージ」(14)、「マエストロ!」(15)など

田口トモロヲ
田口トモロヲ

1957年生まれ、東京都出身。78年「発見の会」で初舞台。『うなぎ』(今村昌平監督)他で第52回毎日映画コンクール男優助演賞受賞。NHK『プロジェクトX~挑戦者たち』でナレーション。近作にTV「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がシェアハウスで暮らしたら」(17/TV東京)、映画「PとJK」(17)、舞台「磁場」(16~17)等。監督作に、『アイデン&ティティ』(03)『色即ぜねれいしょん』(09/新藤兼人賞銀賞受賞)、『ピース オブ ケイク』(15)等。

主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
東京都/アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
アーツカウンシル東京

助成:文化庁ロゴマーク平成29年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業