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海外オーケストラシリーズ

エサ=ペッカ・サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団

エサ=ペッカ・サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団

“飽音の時代”を覚醒させる英雄(ヒーロー)サロネン


エサ=ペッカ・サロネンが描き出す「音像」はいつも鮮やかだ。
一音一音に新たな魂が宿され、オーケストラは躍動する。生命力漲(みなぎ)る音楽によって作品全体が鮮やかに描き出され、輝きを放つ。作曲家として21世紀のクラシック音楽を革新しつづけている彼が、過去の偉大な作曲者たちと向き合うとき、そこには彼にしかできない真摯な対話が生ずる。彼の精緻なタクトは百戦錬磨のオーケストラを駆り立て、作品に籠められた美しさやエネルギーを我々の前に描き出してくれる。彼の手にかかるとクラシック音楽の「王道」ともいうべき名曲の数々が、初めて出会う作品かのような瑞々しさと魅力に充溢する。
サロネンによるこの特別な現象は、30年を遡ってまだ20代だった彼が指揮したスウェーデン放送交響楽団との演奏にもすでに現れていたし、2008年、音楽監督として最後の来日となったロサンゼルス・フィルとの名演においても、その「残像」を我々の耳に鮮明に残している。
そして今、「現代の伝説」ともいうべき瞬間を生み出しているのは、サロネンが首席指揮者を務める英国の名門、フィルハーモニア管弦楽団である。彼らの深い関係はすでに25年の長きに亘っている。
我々を多彩な音楽の世界に導き、新たな作品の魅力に目覚めさせてくれる「音の世界の英雄(ヒーロー)」サロネンとフィルハーモニア管―彼らが生み出す「生気に満ちた響き」に震える瞬間が待ち遠しい。

日程
2017年05月20日 (土)18:00 開演(ロビー開場 17:00)
会場
コンサートホール
曲目
R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」 Op.20
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
R.シュトラウス/交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 Op.30
出演
指揮:エサ=ペッカ・サロネン
ヴァイオリン:諏訪内 晶子
管弦楽:フィルハーモニア管弦楽団
プロフィール
エサ=ペッカ・サロネン(指揮) Esa-Pekka Salonen (Conductor)
エサ=ペッカ・サロネン

© Katia Tähjä

ヘルシンキ生まれの指揮者・作曲家。絶え間ない革新によって、クラシック音楽界において最も重要な芸術家のひとりとみなされている。フィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者・アーティスティック・アドヴァイザーを務めるとともに、1992年から2009年まで音楽監督を担ったロサンゼルス・フィルハーモニックの桂冠指揮者。2015/16シーズンから3年間は、ニューヨーク・フィルハーモニックのマリー=ジョゼ・クラヴィス コンポーザー・イン・レジデンスとなる。また、毎年開催されるバルト海音楽祭のアーティスティック・ディレクター兼共同創設者でもある。サロネンの楽曲は、交響曲やピアノのイェフィム・ブロンフマン、ヴァイオリンのリーラ・ジョセフォウィッツそれぞれに捧げた協奏曲がある。後者は名誉あるグロマイヤー賞を受賞。iPad用のアプリを開発、Apple社のCMに楽曲が使用されるなど先進的な試みも注目される。

諏訪内 晶子(ヴァイオリン) Akiko Suwanai (Violin)
諏訪内晶子

© 吉田民人

1990年史上最年少でチャイコフスキー国際コンクール優勝。
これまでに小澤征爾、マゼール、デュトワ、サヴァリッシュらの指揮で、ボストン響、フィラデルフィア管、パリ管、ベルリン・フィルなど国内外の主要オーケストラと共演。エリザベート王妃国際コンクールヴァイオリン部門審査員。2012年より「国際音楽祭NIPPON」を企画制作し、同音楽祭の芸術監督を務めている。2016年4月、新作『フランク&R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 他』をリリース。使用楽器は、日本音楽財団より貸与された1714年製作のストラディヴァリウス「ドルフィン」。

フィルハーモニア管弦楽団 Philharmonia Orchestra
フィルハーモニア管弦楽団

1945年EMI(当時の英コロンビア)の芸術部長W.レッグによって創設。
その後R.シュトラウス、カラヤン、トスカニーニ、フルトヴェングラー等の巨匠を指揮者に招き、その名演と共に一躍欧州楽壇の注目の的となった。特にカラヤンとは多くの録音を残し、欧米各地に演奏旅行も行った。その後クレンペラー、ムーティ、シノーポリが首席指揮者となり、90年はシノーポリ、2007年はインバルの指揮により、東京で『マーラー・チクルス』の公演を行なった。1997年にドホナーニが首席指揮者に就任。さらに2008年エサ=ペッカ・サロネンが首席指揮者及びアーティスティック・アドヴァイザーに就任。現在はサロネンの他に終身名誉指揮者にドホナーニ、桂冠指揮者にアシュケナージという陣容となっている。

主催:ジャパン・アーツ
共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
協力:ユニバーサル ミュージック