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芸劇eyes

サンプル 『シフト』

サンプル 『シフト』

2013年11月に発表した「永い遠足」も好評だった劇団サンプルが、資本主義と民俗信仰の間で、占い、心理学、健康の分野にすら複数の”神“を見出す日本人の雑食性を風刺した2007年の秀作を再演する。
新進気鋭の劇作家 市原佐都子(Q)をキャストとして抜擢した点にも注目してほしい。
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そう言えばこの作品は、サンプルと名乗り始めての最初の作品でした。
「人間ではなく、人聞の標本、人間もどきを描きたい!つまり、ゾンビ。
何故なら私たちはもうゾンビだから!」と当時(2007年)は意気込んでいたのですが、
最近の自分の作品と比べるとかなり「人間」らしい作品だと思います。
何とかして「ゾンピ」に抗おうとするあがきのようなものを感じます。
資本主義と伝統行事と生殖の問題に束縛されつつ、ジタバタしています。
今回の再演が、そんな「人間」であった頃の日本人に対するレクイエムのようだったら
ちょっと悲しいので、せめて「ゾンビ」的な愛嬌をふりまきたいと思っています。

松井周

日程
2014年03月14日 (金) ~2014年03月23日 (日)
※劇場広報誌"芸劇BUZZ 6号"の情報から、公演日程および開演時間が一部変更になりました。
ステージ数
10ステージ
会場
シアターイースト
あらすじ

山と川に囲まれた村。
元々の村はダムの建設によって沈んでいる。
大型スーパーの進出はその村を危機に陥らせる。
村民は伝統を蘇らせ、村おこしをはかろうとする。
村のある家に、都会から男がやってくる。
娘と結婚するために。
村では今、外からの血が必要とされている。

作・演出

松井 周
松井周 © 岩村美佳

出演

古屋隆太、奥田洋平(以上サンプル・青年団)/ 野津あおい(サンプル)
兵藤公美(青年団)/ 武谷公雄 / 黒宮万理(少年王者舘)/ 市原佐都子(Q)

プロフィール

劇団サンプル
松井周(劇作家・演出家・俳優)の主宰する劇団。
松井周が描く猥雑かつ神話的な世界の断片を、俳優とスタッフが継ぎ目なく奇妙にドライブさせていく作風は、同世代を中心に高い支持を得ている。戯曲が翻訳される機会も増え『シフト』『カロリーの消費』はフランス語に、『地下室』はイタリア語に翻訳されている。
2012年より大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレに参加。小学校の廃校でのインスタレーションおよび創作活動を継続的に行っている。
『自慢の息子』(10年)で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。同戯曲は2013年にオハイオノーザン大学で翻訳・上演された。

主催:サンプル quinada
提携:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団) 芸術文化振興基金