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『誠實浴池 せいじつよくじょう』

舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」

Shakespeare’s Wild Sisters Group ✕ 庭劇団ペニノ
『誠實浴池 せいじつよくじょう』

Shakespeare’s Wild Sisters Group ✕ 庭劇団ペニノ<br>『誠實浴池 せいじつよくじょう』

©Hsuan-Lang LIN, provided by National Theater & Concert Hall

夜毎、大衆浴場に戦死した男たちがやってきて、残してきた女を想い〈プレイ=演劇〉する。タニノクロウ ✕ 王嘉明、日本・台湾の異才どうしのコラボレーション。

わたしたち生者はときどき死者を想う。では、死者は生者を想うのか?想うとしたら、どのように?
「誠實浴池せいじつよくじょう」は、その、ひとつの物語(ナラティブ)である。台湾の王嘉明と日本のタニノクロウが共同で戯曲の執筆と演出にあたって編み出した、せつなさとばかばかしさが同居する、奇妙で胸に残るナラティブ。
舞台は海に面した、いまは廃墟となった大衆浴場。夜になるとここはなにやらみだらな風情をまとわせて、“営業”を始める。来店する客は戦死した男たち。かれらは、従業員の女たちに服従する〈プレイ〉に興じる。やがて生前の戦争体験を、娘・妹・恋人といった女性たちとのエピソードを語りだす。彼女たちを懐かしみ、彼女たちを演じる。彼女たちになる。
この店で夜毎繰り広げられるそのプレイ。「誠實浴池」というこの演劇(プレイ)に立ち会いながらわたしたちは戦争という愚行への感情を風変わりな仕方でしんみりと噛み締める。

(岡田利規)

国際的に活躍する劇作家・演出家による、川端康成が小説『眠れる美女』を下敷きにした日台共同戯曲・演出作品。
庭劇団ペニノを主宰するタニノクロウと、台湾のShakespeare’s Wild Sisters Groupの団長の王嘉明(ワン・チャミン)による本作品は、2024年台湾の国立劇場國家戯劇院で初演されました。ふたりは幾度となく話し合いを重ね、時間をかけて、この物語を書き上げました。「昔々、ある小さな島国に名のない銭湯がありました」というナレーションから始まるこの劇は、これを日本と台湾の出演者たちによって、それぞれの言語で演じられます。精神科医としてのキャリアのあるタニノは、人間の潜在的欲望が投影された、美しい悪夢のような独特な物語世界を持つアーティスト。王は、音と視覚の効果のリミックスや、物語を巧みに組み換える演出を得意としています。二人の実験的な共働による大人のおとぎ話を、日台の個性的なキャスト陣が演じます。特に、2022年にデビューした歌手洪佩瑜(ホン・ペイユー)を含むキャストによる歌唱が大きな効果を生んでいます。

日程
2025年10月03日 (金) ~10月05日 (日)
会場
プレイハウス
王嘉明(ワン・チャミン)、タニノクロウ
演出
王嘉明(ワン・チャミン)、タニノクロウ
出演

(台湾):Fa (ファ)、楊迦恩(ヤン・ジャエン)、崔台鎬(ツゥエ・タイハウ)、
陳以恩(チェン・イーエン)、洪佩瑜(ホン・ペイユー)

(日本):片桐はいり、金子清文、藤丸千

台湾

Fa

攝影 叮咚

楊迦恩

攝影 呂威聯

崔台鎬

攝影 Kris Kang

陳以恩

攝影 蔡之凡

洪佩瑜

攝影 石田真澄

日本

片桐はいり

© Stardust
Promotion,Inc.

金子清文

藤丸千

プロフィール
王嘉明, Chia-Ming Wang(ワン・チャミン)

攝影 楊雅淳

台湾大学地理学科、台北芸術大学劇場芸術創作大学院卒業。現在は劇団「シェイクスピアズ・ワイルド・シスターズ・グループ(莎士比亞的妹妹們的劇團)」の団長。入り組んだ作風や実験性、大衆的な演出で知られる。パフォーマンススタイルの特殊な設計を通して、俳優たちと共同作業を行い、演劇の可能性と向き合い思索を深めている。2018年には「東京芸術祭」に招待され『珈琲時光』を、2019年には、「パリ・フェスティバル・ドートンヌ」において招待公演として『ディア・ライフ(親愛的人生)』を上演し、48年の歴史をもつフェスにおいて初めて台湾の戯曲作品を披露した。2009年、高雄で開催された「ワールドゲームズ 2009」では開幕式第3ステージの演出を、2014年の「第51回金馬賞」では映画の2次審査と最終審査の審査員を、そして、2014年から2016年まで、「伝芸金曲賞」のキュレーター兼セレモニーディレクターを務めた。

タニノクロウ  Kuro Tanino

1976年富山県出身。庭劇団ペニノの主宰、座付き劇作・演出家。セゾン文化財団シニアフェロー(2015年まで)。2000年医学部在学中に庭劇団ペニノを旗揚げ。以降全作品の脚本・演出を手掛ける。ヨーロッパを中心に、国内外の主要な演劇祭に多数招聘。2016年「地獄谷温泉 無明ノ宿」にて第60回岸田國士戯曲賞受賞。2016年北日本新聞芸術選奨受賞、第71回文化庁芸術祭優秀賞受賞。2018年富山ひまわり賞、2019年第36回とやま賞文化・芸術部門受賞。2022年7月より富山市政策参与に就任。2024年より岸田國士戯曲賞審査員。

Shakespeare's Wild Sisters Group(シェイクスピアズ・ワイルド・シスターズ・グループ)

1995年夏に設立。「シェイクスピアの妹たち」の意である劇団名は、イギリスの作家ヴァージニア・ウルフの『自分だけの部屋(A room of One’s Own)』の登場人物が由来。女性の才能を男性中心の体制からの圧迫という呪縛から解き放つという意味がある。独創的な美学とスタイルを模索し続け、毎年実験的な新作の発表と国内外との文化交流を行う。1997年以降、多くの国・都市に招かれ、これまでに香港、マカオ、北京、青島、釡山、東京、ベルリン、シンガポール、神戸、パリ、アヴィニョンなどで公演。国内外での芸術と文化の交換に加え、創作プラットフォームの運営、演劇教育の推進、文化政策への参加を続けている。
Web: http://www.swsg95.com.tw/

庭劇団ペニノ

2000年1月、昭和大学演劇部メンバー有志にて「庭劇団ペニノ」を結成。主宰であるタニノクロウが全公演の作・演出を務める。自宅マンションを改造した劇場スペース「はこぶね」や野外での公演など、緻密に作り込んだ舞台美術とともに上演空間には透徹したこだわりを持つ。2009年以降、ヨーロッパを中心に、国内外の主要な国際舞台芸術祭に多数招聘。また、VR演劇作品「ダークマスター VR」を発表するなど、活躍の場を広げている。
Web: https://niwagekidan.org/

公演スケジュール
10月
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19:30

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16:00

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13:30

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上演言語:日本語・中国語
字幕言語:日本語・英語・中国語(繁体字)

スタッフ
舞台監督:鄧湘庭(テン・シャンティン)
美術:鄭烜勛(ジェン・シュエンシュン)

衣裳:靳萍萍(ジン・ピンピン)、張渝婕(チャン・ユージエ)

音響:陳鐸夫(チェン・ドオフー)
照明:王天宏(ワン・ティエンホン)
音楽:柯智豪(コー・ジーハオ)
プロデューサー:新田幸生、小野塚 央
お問合せ
東京舞台芸術祭実行委員会事務局
03-6812-1638(土日祝除く9:00~17:00)

主催:東京舞台芸術祭実行委員会
〔東京都、東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)〕

助成:文化庁ロゴマーク

文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流))|
独立行政法人日本芸術文化振興会

協賛:アサヒグループジャパン株式会社

製作:Shakespeare’s Wild Sisters Group、庭劇団ペニノ(合同会社アルシュ)

初演 / 委嘱:国家両庁院 (National Theater & Concert Hall, Taiwan)

助成:財團法人國家文化藝術基金會

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