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フェスティバル/トーキョー12

F/T12イェリネク三作連続上演 『レヒニッツ (皆殺しの天使)』

F/T12イェリネク三作連続上演 『レヒニッツ (皆殺しの天使)』

©Arno Declair

第二次世界大戦終結前夜、対独協力者だったオーストリアの伯爵夫妻の城で、約200人のユダヤ人が、「パーティーの余興」として虐殺された--。
ノーベル賞作家、エルフリーデ・イェリネクは、この実話をもとに、一編の戯曲を著し、言語を絶する事態をどのように語りうるのかというパラドキシカルな問題に取り組んだ。
舞台上には5人の「報告者」が登場し、事件の詳細を語ろうとする。だが、加害者、被害者、観察者の違いさえ明確にしない彼らの証言は、重複や脱線を繰り返し、多くの矛盾を孕みながら迷走を続ける。その様子は、今なお詳細を知られることもなく、現地ではタブー視さえされるこの「レヒニッツの虐殺」をめぐる言説そのものだ。
演出はイェリネク作品のスペシャリストで、オペラ演出家としても名高いヨッシ・ヴィーラー。重層的で複雑なイメージを内包する言葉の鮮烈さと、言葉を重ねるほどに不鮮明さを増す全体像とのだまし絵のような連環が、洗練された空間の中に浮かび上がる。

日程
2012年11月09日 (金) ~10日 (土)
ステージ数
会場
プレイハウス
作・演出

作:エルフリーデ・イェリネク
演出:ヨッシ・ヴィーラー

出演

カトヤ・ビュルクレ アンドレ・ユング ハンス・クレーマー スティヴェン・シャルフ
ヒルデガルド・シュマール

プロフィール

エルフリーデ・イェリネク Elfriede Jelinek(詩人、小説家、劇作家)

エルフリーデ・イェリネク

©Karin Rocholl

オーストリア出身の詩人、小説家、劇作家。1946年オーストリア生まれ。ウィーンで育ち、ウィーン大学で演劇学と美術史を学ぶ。主な作品に、ベストセラーとなった小説『したい気分』、『欲望』、戯曲『ブルク劇場』、『トーテンアウベルク』、『雲。家。』、『杖、竿、棒』などがあり、ビュヒナー賞はじめ数々の演劇賞を受賞。ドイツ語圏の最も重要な戯曲賞「ミュールハイム戯曲賞」を4回(02, 04, 09, 11年)受賞している。83年の小説『ピアニスト』は01年に映画化され、その年のカンヌ映画祭で三冠受賞して話題を集めた。04年、「豊かな音楽性を持つ多声的な表現で描いた小説や戯曲によって、社会の陳腐さや抑圧が生む不条理を暴いた」功績により、ノーベル文学賞を受賞。邦訳されている小説や戯曲も多く、近年ではフェスティバル / トーキョー09春にて『雲。家。』(構成・演出:高山明、翻訳:林立騎)が上演され、話題を集めた。

 

ヨッシ・ヴィーラー Jossi Wieler(演出家)

ヨッシ・ヴィーラー

©A.T. Schäfer

1951年スイス生まれ。72年からイスラエルの大学で演劇を学んだ後、80年よりドイツとスイスの劇場で活動。93年、オーストリアの現代劇作家エルフリーデ・イェリネクの『雲。家。』をハンブルク劇場で演出し、演劇誌による“同年最優秀作品”に選ばれ、ベルリン演劇祭に招聘される。90年代半ばよりオペラの演出も開始。シュトゥットガルト歌劇場で『アルジェのイタリア女』『アルチーナ』『ポッペアの戴冠』『ジークフリート』『ドン・カルロ』『ノルマ』他多数の演出を行う。2001年、ザルツブルク音楽祭に『ナクソス島のアリアドネ』が招かれ、オペラ誌による「同年最優秀オペラ作品」に選ばれる。02年9月、ベルリン芸術アカデミーよりコンラート・ヴォルフ賞を授与された他、ヴィーラーとドラマトゥルグのセルジオ・モラビートのコンビは「2002年最優秀演出チーム」に選出されている。日本では97年T.ドルストの『パウル氏』を演出、シアターXで演劇集団円により上演。また05年同じくシアターXにて日本におけるドイツ年の一環として鶴屋南北の『四谷怪談』を演出した。11年のシーズンよりシュトゥットガルト歌劇場の芸術監督を務めている。また、現在まで数本のイェリネク戯曲を演出し、原作を深く掘り下げた演出は高く評価されている。

写真

関連企画

主催:フェスティバル/トーキョー

共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)

特別協力:ドイツ連邦共和国大使館、東京ドイツ文化センター、オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム



*本公演は東京文化発信プロジェクト事業です

東京文化発信プロジェクト

【東京文化発信プロジェクトとは】東京文化発信プロジェクトは、「世界的な文化創造都市・東京」の実現に向けて、東京都と東京都歴史文化財団が芸術文化団体やアートNPO等と協力して実施しているプロジェクトです。都内各地での文化創造拠点の形成や子供・青少年への創造体験の機会の提供により、多くの人々が新たな文化の創造に主体的に関わる環境を整えるとともに、国際フェスティバルの開催等を通じて、新たな東京文化を創造し、世界に向けて発信していきます。