
芸劇eyes
ほろびて『センの夢見る』
- 日程
- 2024年02月02日 (金) ~02月08日 (木)
- 会場
- シアターイースト
家は、大きな川に面した場所にあった。そこの住人は当然、目の前の川がなくなるまでを知っている。川がなくなってからの日々も、よく知っている。せせらぎの音が心地よかった、その記憶はときどき鼓膜をふるわせた。カメラを自分に向けた見知らぬ人がやってきて、レンズに向かい熱心に語りかけている。家から出てきた人が、カメラたちには気づかないまま、いまはもうない川の流れに目をやった。うれしそうに、目をやった。ごほっごほっと、おもくるしい咳が響く。いや。すべてはもっとささやかにあった。ささやかに、目の前だけを見ていた。その場所にはありったけの、夢があった。
夢や、夢見る人々を描こうと思います。夢には時間軸が存在します。達成される前と達成された/されなかった後。むろんそれを見ているのは外側の人間です。つまり、夢見る人々を、外側から見るという行為が今、とても興味深いと感じています。それはきっと、夢を見ていたのに、現実を見ざるをえなくなった人を見ることにもなるのではないでしょうか。つまり演劇で繰り返し行われてきたことを、演劇を通して、描こうと思います。とても小さくてシンプルな演劇になるんだと思います。どうかお付き合いください。
ほろびて 細川洋平
日程
2024年02月02日 (金) ~02月08日 (木)
★:アフタートーク実施回
○2月3日(土) 13時公演後
徳永京子(演劇ジャーナリスト)
○2月4日(日) 13時公演後
佐々木敦(思考家/批評家/文筆家)
ステージ数
9
会場
シアターイースト
作・演出
細川洋平
出演
浅井浩介、安藤真理、大石継太、生越千晴、佐藤真弓、藤代太一、油井文寧

プロフィール
- ほろびて
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2010年に始動した細川洋平の演劇作品を上演するカンパニー。さまざまな分断を描いた作品『ぼうだあ』(2020年2月)で一躍注目を浴びる。見過ごされる人々を主題にし、やがて世界が抱える問題へとフォーカスする作品を多く発表。「物語」の構造を疑いながら、演劇という枠組みの更新へ向けた思索を続けている。2021年5月、『あるこくはく』で第11回せんがわ劇場演劇コンクールグランプリ、劇作家賞(細川)、俳優賞(吉増裕士・客演)の三冠を受賞。
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主催:ほろびて
助成:公益財団法人セゾン文化財団
提携:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場