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芸劇dance

勅使川原三郎ダンス公演 三つ折りの夜

勅使川原三郎 コメント

photo:Rihoko Sato

天才的ヴァイオリニスト庄司紗矢香さん、最高のダンサー佐東利穂子と私の3人の芸術家による詩、音楽、ダンスの三要素からなる創作。フランスの詩人ステファヌ・マラルメの詩「三つ折りのソネ(ソネット)」から想を得た、「日没の夜」「深夜」「有明の月」の三夜の空気歌曲。芸術家に限らず真に現実を見る者は、世界の終わり無き混迷を決して簡素に扱わない。詩情とは困難ゆえの美ではないか、私は短略化した意味の回答に向かわない勇気を日々大いなる喜びと共に生きる。

佐東利穂子 コメント

photo:Akihito Abe

「三つ折りの夜」の創作は着々と進んでいます。
いつもこの時期にそうであるように、作品の要素となりうる様々なものたちが集められています。
それまで意味や関連性のなかったものたちが手繰り寄せられ、新たな意味や価値が生まれ始めています。
誰も提示しなかった疑問が沸き立ち、必然性から答えを見つけていく。
ものが溢れかえっている今の時期が、私は大好きです。そこに庄司紗矢香さんが加わるのがとても待ち遠しいです。準備している空間の中に彼女の存在が見えてくるようです。
そんな作品の一部と化す庄司さんとともに、この新たな価値観の世界に共存できることを大変嬉しく思います。

庄司紗矢香 コメント

photo:Norizumi Kitada /
UMLLC

視覚芸術にはいつも興味を持ち、演奏会の合間に絵画を始め、最近はヴィデオ作品を中心に、創作をしています。
視覚のインタープリテーション(解釈)は音楽のインタープリテーションと同じで常に変わりゆくものです。また、作っていくプロセスも同じです。
譜面を読み、構成や和声をアナライズした上で、空気中に漂っている何かを盗み取り、耳に聞こえる音、あるいは目に見える形にしていくというプロセスです。
音楽をしているのと同様に、常に変わり続ける感覚、そして無意識を捉えて残して行くという事に今も興味を感じます。

音楽家以外の芸術家とのコラボというのは大変刺激的です。
ダンサーとのコラボでは、舞台上で演奏家とダンサーがどう見えるかということに興味を惹かれる方もいらっしゃると思いますが、私は自分がどう見えるかという意味で自分の身体の動きを意識したことはありません。
しかし内的な身体の感覚は奏でられる音に影響しますので、それぞれの作品でどんな音を求めるかを元に「動き」を毎回追求しています。
音とダンスを通じて新しい宇宙を創っていけたら何より嬉しいです。

舞台上では並行してパフォーマンスをするので、演奏中にダンサーを真正面から見ることはできませんが、共に呼吸し、エネルギーを共有していることを感じます。これは音楽家同士の共演においていつも起こり得ることではありません。

勅使川原さんと佐東さんは、お二人とも各自の確固たるスタイルをお持ちですが、二人合わさると"対"となり"完"ともなり得ると感じます。ダンサーというと、音楽に合わせて踊るとか、音楽的表現をするといったイメージがあるかと思いますが、彼らはそういった次元ではなく、彼ら自体が音楽である、または彼らが動くと溶けて音楽になる、と言った方が正しいかもしれません。もっとも音楽に近いダンサーだと思います。

私は勅使川原さんのダンスとマラルメの詩に共通点を感じています。霊的であり、虚無感や不吉感、例えば仄暗い夢の中で経験した美しい何かに執着して思い出そうとするような感覚です。「三つ折り」に関しても色々な捉え方があると思いますが、今回は一週間強、リハーサルの時間があります。それぞれのサイドで成熟してきているものの融合から何ができてくるのかは、私も今はまだわかりません。これは楽譜のある楽曲の演奏を他の演奏家と共に作っていく際にも通じることですが、今回は勅使川原さんというユニークな芸術家と究極の化学実験のようなものができることを私自身楽しみにしています。

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